published by Akila Ninomiya (design studio "PENCIL")
今回の祇園祭の撮影の目的は「鉾の中を360°撮る」ということでした。
"動く美術品"とも言われる祇園祭の山鉾は、その中にも様々な装飾が施されているのではないか、と未だ見たことの無いその景色に想像を膨らませていました。しかし実際に登ってみると、意外とシンプルな造りでした。その狭い空間に40人以上の囃子方が乗り込んでいるのですから、間違いなく実用第一なんです、やっぱり!
幾つもの山鉾に登らせて頂き撮影し、パノラマ写真にスティッチ→ムービー化した後でじっくり見てみると、各山鉾で構造がちょっとずつ違うことに気づきました。これ、工芸史や比較文化などを研究している方には面白い資料になるんじゃないかな、と思うのですが...どうでしょう?
さて、長刀・函谷・月の代表3鉾は撮影禁止だったんですが、それ以外で登れる山鉾は基本的には撮影は大丈夫でした。その中でも一番絢爛豪華だったのが、本日ご紹介する「船鉾」です。以前は「大船鉾」というのもあったんですが、幕末の大火で被災し今は部分的な遺構の展示と祇園囃子の披露のみとなっていますので、現代の祇園祭の舟形山車はこの「船鉾」のみとなりました。
その豪華さは形だけではありません。至る所に配された懸装品は余りの見事さに息をのむほど。舳先(へさき)には18世紀半ばに作られた「鷁(げき)」と呼ばれる黄金の瑞鳥が、艢(とも)には18世紀末頃に作られた黒漆螺鈿の飛龍文大舵が飾られ、まるで宝船のようです。
そして他の山鉾と全く違い、中に入ってみても実は「船」と同じような構造をとっています。
全体的に狭い舟幅に横木をかませて、人を横に座らせるのは、舟の構造と全く同じと言って良いでしょう。
そして何と言っても素晴らしいのは、格天井の描かれた植物の天井絵。こちらも幕末の作品らしいのですが、黄金の格天井に全て違う図案で描かれた植物の見事なこと!まさにコレぞ、ボクが見たかった景色だったんです。
ただ、こんな素晴らしい内部ですからやっぱりファンも多いようで、他の山鉾では考えられない程、人が次から次へと乗り込んできます。撮影が一番大変な山鉾でもありました。
さぁ今日は山鉾巡行です。この雰囲気をまとった32基の山鉾が四条通→河原町通→御池通を巡ります。
今年はどうやら雨も降らなさそうです。どうぞ思う存分、その姿に酔いしれてください。
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【祇園祭'07】船鉾内部
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