国立民族学博物館

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 大阪・吹田にある、誰もが知っている「太陽の塔」(そういえば荻窪圭さんが変テコなVRを撮ってます→コレ)。太陽の塔が立っている万博記念公園に隣接する建物が通称“みんぱく”と呼ばれている「国立民族学博物館」です。「国立」とは名前がついていますが、「現在では大学共同利用機関法人 人間文化研究機構」という長ったらしくも厳つい肩書きが付いています。
 ココでは全国でもいち早く、所蔵品のデジタルアーカイブに取り組んだ団体でもあり、今を遡る事9年前の1997年12月18〜19日に国内の関係各所が一斉に集まって議論を交わした「電子博物館シンポジウム」の会場でもありました。ボクはその当時既にQTVRを用いて日本全国の紙漉き場を撮りまくって自分のサイトで配信していた(代表的なのはこんなの)こともあって、未来のVRの進む方向にとても興味を持って参加しました(勿論、学生では唯一の参加です)。そういえばその時の特別講演が、今やTRONプロジェクトがやっと認められ時の人となった東大教授・坂村健氏で、傍若無人且つ無知蒙昧の若輩者は勢い余って色んな質問を坂村教授にぶつけてしまいました...いやぁ“畏れ知らず”とはまさにボクのことでした(でも、今のボクも同じような事してると思いますが)。
 そんな縁があって、一時期みんぱくにはかなり通い詰めました。特に収蔵品のデジタイズ化の機材についてかなり詳しく教わりましたし、ちょこっとだけお手伝い(体験のようなものですが)もさせてもらいもしました。本当に貴重な時間を過ごさせていただきました。

 みんぱくのデジタルアーカイブは、基本的にテキストと写真です。実験的に3Dデジタイズデータが存在しますが、時間の関係上座標のプロットデータから未だ展開されていないと思われます。あと、みんぱくには膨大なビデオライブラリが存在しますが、オンデマンド方式にするために数テラバイトのHDDが必要だとその当時は悲観してました...が、今なら数10万円で導入できますね。でもしていないみたいです。どうなんでしょうか?

 ではみんぱくには、一般の方々が見られるVRコンテンツは無いのかというと、そうでもありません。みんぱくは研究機関でもありますから、当然研究者の発表機関としてのウェブページが存在し、個別に研究成果を配信しています。その中で、オブジェクトVRを使った発表をしている先生がお二人いらっしゃいます。

 まず1人は、民族社会研究部の横山廣子助教授。専門は中国の大陸民族集団の歴史的研究です。その中で、雲南省先住民の民族衣装をQTVRオブジェクトで紹介しています。

雲南省先住民の民族衣装:QTVRオブジェクトムービー
http://www.minpaku.ac.jp/staff/yokoyama/qtvr01.html

 解像度が低く、拡大範囲がとても狭いのが難点ですが、非常に綺麗に撮れていると思います。
 このクオリティで複数点の衣装が並んでいたら、もっと良いアーカイブになっているのにと思うと残念です。

 もう一人は、研究戦略センターの小長谷有紀教授。専門はモンゴル・中央アジアの文化人類学/文化地理学で、独自コンテンツを多数掲載している「小長谷有紀の掲示板」というオリジナルウェブサイトを持っています。
 その中で異彩を放つコンテンツが、今から紹介するページです。

モンゴル遊牧民資料室:QTVRオブジェクトムービー
モンゴル遊牧民資料室:QTVRオブジェクトムービー
http://www.minpaku.ac.jp/staff/konagaya/qtvr/

 “モンゴル草原の宿営地での遊牧民の生活に欠かせない道具やモノを、QTVRオブジェクトムービーで紹介します。”とある通り、モンゴルの遊牧民が実際に今も使っている道具類を、多数紹介しています。『働く』『くつろぐ』『祈る』という3つのカテゴリーから選ぶのですが、その多彩なラインナップもさることながら、素人のボクでも理解できる読みやすい解説が、次々とページを繰りたくなる衝動に駆られます。

 博物館所蔵品のデジタルアーカイブは、原則的に自由閲覧の為のものであるとボク自身は考えます。
 上記お二人のように、自身の研究対象に添った所蔵品をもっと知ってもらう為の配信方法として、QTVRのような撮影や扱いが簡単なデータは、一般大衆向け配信としてはとても有効なのではないでしょうか?とは言っても内制で所蔵品のデジタイズ化のルーチンワークが確立されているみんぱくのような機関だからこそ出来るわけで、デジタルアーカイブの先鞭をつけたみんぱくには、もっともっとQTVRを活用して欲しいものです。

 ・・・もっとわがままを言うならば、みんぱく本館の内部を、フルスクリーンCubicVRを使ってマルチノード化したオンラインミュージアムにしたら、もっと面白くなるのになぁ...なんて考えたりもしますが、どうっすかね?(特に各民族の住居なんて、せっかく内部も精巧に作ってあるのに観覧エリアからは限定された方向しか見えないもんね。住居内部をCubicVRで見せれば、全部見せられるのに...って、提案できないかなぁ?)

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