ボクのお気に入りの、WWP "Border"

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さて昨日に引き続き、「The World Wide Panorama」のお話。先ほど、今回のテーマ「Border」の出展作品を全て見終わりました(疲れるで、ホンマに)。
そこで、ボクが気に入った作品を、寸評してみることにしましょう!

皆さんは「ボーダー」と聞いて、何を連想するんでしょうか?
日本語になってる「ボーダー」って、“ボーダーシャツ”や“スノーボーダー”など、カジュアルな場面で使われることが多いと思います。しかし英語の「Border」の第1和訳の「境界(線)」という意味そのものにかなりの含みがあり、今回のテーマにおいては、まずはその個人的解釈から始めなければなりませんでした。
WWPのトップページの序文にもあるように、政治的/経済的/人種的/地域的/科学的/哲学的など様々な視点で語ることが出来ますし、公私に分けて考えることも出来ます。その中で、テーマの解釈度と作品の完成度を合わせて優れたものを、幾つか挙げてみました。


「ボーダー」で水平線を思い浮かべる方って、多いんじゃないですか?ボクも最初はそうでした。
今回も幾つかあった中では、この作品は、その澄み切った空と海の青がとても印象的でした。
「Big, Blue and Wobbly」
Ben Nelson
(Grange Jetty, Adelaide, South Australia, Australia)


自然の脅威を見るのであれば、火山湖も見逃せません。記憶に新しいフィリピンのピナツボ火山の火口にある湖の際で撮った作品は、そこがかつては猛威を振るった活火山であることを忘れさせます。
「Mount Pinatubo Crater Lake」
Fung Yu
(Borders of Zambales, Bataan, and Pampanga in the Philippines)


自然の境界線といえば、淡水と海水の分かれ目である「汽水域」もありました。
空撮で撮ったカリフォルニアの汽水域に、風景を損なわない程度に汽水線が書き込んであるのが、ニクイです。
「Salt Evaporation Ponds - San Francisco Bay」
Charles C. Benton
(Newark, California, USA)


次いで「ヒト」にまつわる境界を幾つか。


人の境界ですぐに出てくるのは「あの世とこの世の境界」でしょうね。その場所の典型は「墓場」。キルギスタンのAdiyeva氏の作品はとてもドメスティックで感情があふれているようです。一方「Panoramas.dk」でおなじみのHans Nyberg氏の作品は、霧深い墓地独特の幽玄の世界を絶妙に写し取っています。
「Graveyard Overlooking Osh」
Gulmayram Adiyeva
(Osh, Kyrgyzstan)
「Danish Graveyards」
Hans Nyberg
(Djursland, Denmark)


人工物でいえば、地下鉄工事現場の地上と地下の中継地点から撮った作品は、構図がとっても面白かったです!
日本でも日比谷共同坑ジオサイトプロジェクトの中を撮った作品を思い出しました!
「Hades Entry (Number Two)」
Bernhard Vogl
(Subway building site Schottenring (Donaukanal), Vienna, Austria)


政治的な観点の作品では、第1次世界大戦の遺構であるジークフリート線跡を、張りつめた空間を共に作品に仕上げています。
「Westwall」
Peter Braatz
(Aachen, Germany)


今回の作品では、ムービーの前段階の写真そのものを合成や加工で編集しているものが多かった印象も受けました。特に「昼と夜」や季節の境目を、合成によって表現してあったりします。その中でも一番破綻の無い作品に仕上がっていたのが、以下の作品です。大きなモニュメントのラインを境界線としてあつかった、非常に完成度の高いものでした。
「Under the Border between Night and Day」
Carsten T. Rees
(Eschholzpark, Freiburg, Germany)


さて、今回ボクが一番印象を受けた「ボーダー」はと言いますと...

「Gunkan Apartment」
Sachio Izumi
(Naniwa, Osaka, Japan)

日本が誇る空間写真家でもありQTVRクリエイターの泉 幸男氏の作品です。
怪しい建築マニアの世界では非常に有名な、大阪市浪速区にある「軍艦アパート」(詳しい説明は「関西今昔建築散歩:軍艦アパート」にて)の屋上から撮った作品です。
このボロボロで圧倒的に廃墟としか認識されないようなところに、未だに人が住んでいるのだけでも脅威的です。その人間の不可思議な非日常的な生命エネルギーの境界として、この軍艦アパートを選んだ泉氏に、ただただ脱帽です。

その他にも、“山火事痕”とか“ナイトクラブの舞台際”とか“雪山に残った自分の足跡”とか・・・“ウサギ小屋”はそのままの撮影としても、“水槽の金魚を猫が狙ってる”のって・・・力技もありましたし、“東京タワーの真上から”っていうありえない構図もあって、技術的にも楽しめる作品が多かったです。


総じて思ったのは、意外と「国境」や「人種」に関するものが少なかったこと。やっぱりタブーなんでしょう。
また模様としてのボーダーを取り上げた人が皆無だったのも意外でした。実はボク自身の裏アイデアとして、ボーダーシャツばかり着た女性を20人ぐらい手をつなげて輪にして、それを撮ったらおもしろいやろなぁ...とか思ったりしたんですけどネ!

さぁ、次回は6月。テーマは「ガーデン」。そうです「庭」ですよ!
ココ京都は庭だらけ!!!名園も迷園も山のようにあります。今からどれを撮ろうか、本当に楽しみでなりません。何と良いテーマを与えてくれたか!水を得た魚とはこのこと。皆様も次回は期待して良いですよ!どうぞお楽しみに。

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コメント(2)

ども、タカギです。
WWPの魅力ってやっぱり多様性ですよね。参加する側のパノラマに対する想いもそうだし、見る方もいろんな読み解き方ができるのがイイわけで。いやー今回も楽しませてもらいました。

>タカギさん江
今回は義務のように参加してしまったので、精神的にはとても重かったですが、終わってみればその苦労も「randam panorama」1枚目登場で報われたような気がします(苦笑

ココ最近はワンショットVRばかり撮ってるので、フルスクリーンVRの構図はちょっと違っていて戸惑いましたが、せめて週イチぐらいでは撮らないと...って感じですね!

京都では桜がやっと見頃を迎えています。今週末はどこも大賑わいでしょう。今からどこを撮りにいこうか画策中です。QTVR桜前線、考えないとイケマセンね!

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