イベントレポート「QTVR Diary -OFFLINE- vol.8」

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本日は、去る2月14日(土)に開催しました、当ブログのオフラインイベント「QTVR Diary -OFFLINE- vol.8」の事後レポートをお届けしてしたいと思います。
昨年2月のイベントは、豪雪の中多数のお客様にお越しいただきましたが、今年はうってかわって早春の陽気に恵まれ、非常に過ごしやすい1日でした。こんな日は決まって"どこか別の場所"に行かれてしまうことが多く、インドアイベントは余り人が集まらないのが常なんですが...。


(クリックすると拡大します)

どうです、このお客様の数!およそ3/4ぐらい席が埋まりました。詰まり過ぎず空き過ぎずで、しかもホールの方から立ち見の方もチラホラいらっしゃって、イベントとしては非常に"気持ち良い"感じになりました。
ただ今回は、いつもビデオ撮影など手伝いをお願いする実弟が急な仕事で来れなくなり、本当は実演中の姿を撮影して欲しかったんですが、それがままならない状態で、一人で独りで進めることになります(なので、実はビデオが途中で切れていたりして...あぁ、勿体ない)。


さて、今回は『ワンショットミラーで作る様々なパノラマコンテンツ』というお題で、全体を4部構成にしてお話しました。
まず最初の30分は、ボクのお話。

1. ワンショットミラーとは?
ざっくりした話を。
「お椀型のミラーを真上から見ると、周囲が360°写り込む。これをカメラやビデオに撮ると、ドーナツ型の像が入力できる。これをある部分で切り込みを入れて展開すると...円筒パノラマの出来上がり!」
2. メリット
1枚の写真で水平360°が撮れ、「撮影⇒展開⇒ムービー化」が速く、(一体型だと)持ち運びに便利で、HDRパノラマが作りやすい!
なんだかイイとこずくめですね。
3. デメリット
パンフォーカスにしようと絞りに絞って撮るのでシャッタースピードが遅くなるため動体が撮りづら、ミラー剥き出しだとミラーのゴミはモロに写り込むので、そ扱いは非常に慎重になります。アクリルケース付きだとケースの傷が写り込むので、やっぱり慎重に扱うことに。...すなわち、とっても取扱の気難しい機材なのです。
4. 求められている用途
[case1] ローコスト且つ即時性の求められる低解像度パノラマコンテンツとして、不動産系や店舗案内ポータルなどの用途を提案しました。
[case2] メインコンテンツではなく、ナビゲーションとしての低解像度パノラマコンテンツとして、バーチャルツアーのナビとして小さい画面でマルチノードのパノラマVRムービーを採用してみることを提案しました。
5. どんな製品があるのか?
GoPano(EyeSee360)、Egg Photo 360°(Egg Solution)、0-360 Panoramic Optic(0-360.com)、Wide70/Hyper110/SOIOS55(株式会社映蔵)の名前を挙げ、EyeSee360の製品は前モデルの360OneVRを二宮の私物でご紹介。「Egg Photo 360°」は日本輸入代理店のGLOBAL SYSYTEM 株式会社様より実機をお借りして、生で見てもらえることが出来ました。さらに映蔵からはWide70とHyper110の実機をご持参いただきました。これら実物をご覧頂ながら、お話を進めることになります。

株式会社映蔵 鈴木俊哉氏6. 株式会社映蔵のご紹介
ココで当日の一人目のゲスト、株式会社映蔵の鈴木俊哉さんにご登壇いただき、映蔵ではどんな開発を行い、どんな商品をどのように展開しているのか、をお話いただきました。

実際に持って来て頂いたWide70とHyper110はともに非常に小さく、特にWide70は世界的に見ても、これより小さいものは無いのではないか、ということでした。このコンパクトさはかなりアドバンテージが高いんじゃないのかなぁ。アメリカに持って行ったらスゴい勢いで売れそうな気がするんですが...。これが5万円を切ったら、ちょっとブレイクしそうな感もありますねぇ。どうでしょうか?(笑

7. 撮影条件
さて、鈴木さんのお話が少々短めで終わったこともあって、ここからの実演時間を長めに取ることに。
まずは撮影に対して注意することを、撮影条件と被写体の条件の2つに分けてお話しました。
ワンショットミラーを据え付ける機材の必要条件として、出来るだけ明るいレンズを装着したマニュアルフォーカス/マクロ/絞り優先撮影が出来るカメラで、さらに本体角度の固定(水平を保てるか)を、とても大事なポイントに挙げました。
そして被写体の条件として、完全に静止していることと、空間に十分な明るさがあることを挙げました。
ボクらがいつも行っているパノラマ写真の条件よりも、かなり厳しい条件で撮影しなければならないことが、見て取れることでしょう。

8.撮影実演
そして、実際に撮ってみました。
机の上にある試用実機のうち、Egg+RICOH GX-100を例に、手持ちで撮った時の構え方やコツなどをご紹介しました。
さらにボクの持参品である360OneVRとキスデジをKaidan社の360OneVR専用ブラケットに装着して、実際の業務で使用している環境をご紹介しました。
撮影手順は、以下の通り。

  • ミラーを装着する(ドーナツ画像の外周が撮像面の長辺の端に当たるようにする)。
  • 撮影モードを絞り優先にして、ブレない程度に出来る限り絞る(F11〜16程度がベター)。
  • マクロ撮影モードにする(DSLRの場合は、マクロレンズを装着する)。
  • マニュアルフォーカスモードにして、ドーナツ画像の外周と内周の間ぐらいに焦点を合わせる。
  • シャッターを切る(HDRパノラマ用の場合は、ブラケット撮影を行い、後で合成する)。

これで、とりあえず誰もがうまく撮影できるんじゃないかな、と思うわけです。

9. どのようなソフトで"展開"するのか?
そして、どのようなソフトで展開し、パノラマムービーに仕立てるのか?
...EyeSee360社の「PhotoWarp」「VideoWarp」を使って、実際のオーサリングについて、お話することにしました。

10. PhotoWarpのオーサリング手順
・データを読み込む
・撮影に使用したミラーを指定する
・画像データのミラー位置を決める
・視野角や始点、自動回転、テキスト情報の埋め込みなどを行う
・出力データの設定をする
・展開して保存
この一連の流れを、実際にご紹介!

11. VideoWarpのオーサリング手順
・VideoWarp Creatorを開く
・データを読み込む
・動画のフォーマットを定義する
・読み込んだムービークリップをタイムライン上に置いていく
・「File>Export」メニューを選び、ムービーファイルを出力する
この一連の流れを、前もって撮っておいたワンショットミラーを装着したHDビデオカメラから取り込んだビデオデータを用いて、その場でオーサリングを行いました。

12.そして...
ただVideoWarpは、専用再生ソフトが無いと、パノラマ状に見えない(Quicktime互換なので、Quicktimeプレイヤーだとパノラマ画像がそのまま動画になっただけになる)ので、「Ryubin's Flash Panorama」を紹介し、今後のサービス如何では世界中の動画パノラマの標準品になる恐れもあることを説明しました。2年前から既に動画パノラマに着目して、独自で動画Flashパノラマ再生ライブラリを開発していた「Ryubin's Flash Panorama」は無料ということもあり、制作ワークフローをご紹介したかったのですが、準備段階の不手際でデモデータの制作が出来ませんでした。いつかどこかで、実演講習が出来たらと思っています。

奈良先端科学技術大学院大学 山澤一誠准教授13. ワンショットミラーの未来を垣間見る
残り30分となったところで、当日二人目のゲストである奈良先端科学技術大学院大学の山澤一誠准教授にご登壇いただき、山澤さんの研究の主内容であるワンショットミラーの原理とその応用技術について、ボクら学術知識の無い者達のために平易な言葉でお話いただきました。

この話が、今回は非常に面白かったです。
学会発表で慣れてるからでしょうか、話も非常にスムーズで分かりやすく、また小難しい学術的な話題も出来る限り分かりやすい例を挙げて話してくれるので、意外と耳にすんなり入って来ました。
話題の中で一番の衝撃だったのは、実写パノラマムービーのウォークスルー(リアルタイム視点移動)に実験室レベルながら成功していることでした。
空間内に幾つかワンショットミラーを設置して、それぞれが映し出すパノラマムービーをリアルタイムで映し出すのですが、ミラー間の位置情報を三次元解析し、画像として補完することによって、あたかもウォークスルーしてるかのように視点移動をさせることが出来ます。空間内が全て静止している場合は非常にクリアに映し出すことが出来るようですが、動体は画像補完が難しく、なかなか鮮明な映蔵にするには未だ改善の余地があるようです。

いやぁ、実写パノラマの最後のネックと言われるこの技術が本格的に動き出すと、新しいカテゴリーの利用方法が生まれるかもしれませんね。まさに"未来を垣間見る"に相応しい内容でした。

14. 今後の展開について
さて、山澤さんの話の興奮が冷めぬまま、結びに進んでいきます。
結びの文章を、こう紹介しました。
「産業用途では、防犯カメラやロボット工学でいち早く使われて来ましたワンショットミラーですが、コンテンツ産業でもその即時性や低価格性は、今後の需要が期待されます。さらに動画パノラマは、今後のパノラマVRコンテンツの主流となり得ますので、今から技術を習得して、さらなるコンテンツの開発に取り組みましょう!」


いかがでしたでしょうか?

ワンショットミラーを、こうして複数台並べて撮り比べも出来る機会なんて、そうそうあることではないでしょう。
特にEggはボク自身も初めて手に取ってみることが出来て、プラスティック筐体の軽さとハンドリングの良さ、そしてデザインの秀逸さに、来場者からも好評を得ていたのが印象に残ってます。
さらに映蔵のWide70の小ささは特筆すべきで、こんなに小さいのに光学特性に非常に優れ、ミラーとは思えないシャープな像を結ぶのには非常に驚きました。今はむき出して販売されているようですが、ケーシング如何では、本当に化ける可能性が感じられます。

このように、様々な用途で今後の活躍が期待されるワンショットミラーによるパノラマコンテンツをご紹介してまいりました。
次回のイベントも、面白い内容満載でお届けしようと思います。近日中に次回の内容も発表できますので、どうぞご期待ください!

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