TERMESPHERES by Dick Termes
実はこの方を知ったのは、パノラマをやるずっと以前のことでした。M.C.エッシャーが好きだったボクがこの方を知ったのは必然のような気がしますが、そこからパノラマにまで結びつくとは...。
ボクが勝手に「球面ペインター」と名付けているDick Termes氏の作品を見ることが出来るオフィシャルサイト「TERMESPHERES.com」は、パノラマクリエイターの創作意欲をかきたてる作品がテンコ盛りのサイトです。

■ Termespheres- Art that captures the up, down and all around visual world from one revolving point in space
http://www.termespheres.com/
球面に絵を描くことにひたすら取り組んでもう30年。すごい偉業の方ですね。1941年生まれなので今年で68歳。まだまだ精気みなぎる活動を展開されています。
サイトに満たされる球体の作品に描かれた"歪みのある絵画"は、ボクらパノラマクリエイターには、見覚えのある"歪み"じゃないですか?
Dick Termes氏は、理論と実践によってこの球面透視図法を習得し、以来ずっと様々な大きさの球面に描き続けています。
この球面透視を用いた画法は、アメリカ国内で特許も取得しています。
年間に多数の個展やグループ展を開催している他、講演会やワークショップまで、様々活動を通じてこの新しい視覚の世界を紹介しています。
また氏のサイトのオンラインストアでは、DVDやこの透視図法の解説書、そして作品が紹介されているAl Seckel氏の著書「Masters of Deception」の販売も行われています。
この書籍は邦題「錯視芸術の巨匠たち―世界のだまし絵作家20人の傑作集」で、国内でも購入できます。非常に興味深い書籍です。ぜひご一読を!
古くは、日本では上の書籍の日本語訳者でもある坂根厳夫氏の有名な著書「遊びの博物誌 (1977年)」(The Museum of Fun Book)の中で、Dick Termes氏を紹介しているらしいのですが、ボク自身未確認です(もしかしたら「新・遊びの博物誌 (1982年)
」の方かもしれません)。Dick氏のレジュメには英語版への掲載がリストされています。
さて話は戻って、Dick Termes氏の作品について、お話しましょうか。
ご覧になってもお分かりの通り、騙し絵の第一人者でもあるE.C.エッシャーに大きく影響を受けているようですね...ま、見たまんま!
最初見たときにすぐに思い出したのは、このブログでもかなり前にご紹介した「Google Earth Panorama Viewer」通称"PanoSphere"でした。チュートリアル和訳も行ったので、お試しになった方も多いかと思います。
ボクらはこれを、まずは実際に写真を撮ることから始めますが、Dick氏は球面に描くモチーフを探し出し、そのモチーフの参考としてディテールの写真を多数用意して、それを見ながら、球面に描くために投影変換を行って描くんだそうです。非常に緻密な計算と感性が要求されるので、生半可な気持ちで手を出すと、全くリアリティの無い不自然な歪みの絵になってしまいます。
そう、彼の描く歪みは"自然な歪み"なんですね。
彼の代表作は「Termesphere GALLERY」ページで見ることが出来ますが、平面だとやっぱり雰囲気が伝わらないので、作品を写した映像がYouTubeに上がっていますので、こちらをご覧頂くことにしましょうか。
さらには、これらの球面絵画をCubicVRやQTVR Objectに変換したギャラリーは、圧巻の一言。

■ Termesphere Virtual Tour - Directory
http://termespheres.com/qt-directory.html
投影図法的に正確なので、QTVRに仕立てた時に直線が直線として表示されることになります。これが一番の驚きですね。なまじ原理を知っているだけに、自分自身のその驚嘆ぶりが嬉しくなってくるほどです。
ところでこれ、どうやってQTVRにしたんでしょうね。ある程度は予想できるんですが、余りに面倒な作業なのでやりたくないなぁ...と思ったりしたのはボクだけでしょうか。解像度もそこそこあるので、フルスクリーンにしたらもっとスゴいでしょうね!
去年できなかったパノラマ作品の個展を、今年こそはしようと思っているんですが、その時の展示作例の参考として、非常に気になる作品です。
球面にパノラマ貼付けて天井から吊ってある作品があったら、アイデアはココから穫ったんだと思い出して下さい(...あくまで参考で、盗用じゃないですからね!)。
1ツ欲しいなぁと思いつつ、とんでもない値段がついてるのが予想できるので、未だに問い合わせが出来ないでいます。
誰か勇気を持って、問い合わせてみてはくれませんか?そして、ボクにこっそり値段を教えて下さい(苦笑)。
< 参 考 >
日本でも興味を持ってる方がいらっしゃって、ちょっと嬉しいので、ご紹介を。
□ liber studiorum: 『錯視芸術の巨匠たち』アル・ケッセル
□ 球体の絵 (- MISDIRECTION (ミスディレクション) -)
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