イベントレポート「QTVR Diary -OFFLINE- vol.11」
1週間のご無沙汰です。
今回はかなり"やりきった感"が大きく、正直、燃え尽き症候群っぽかったです(苦笑
ま、そんなことも言ってられないので、そろそろ復活します。色々と記事も溜まってますしね!
去る8月8日(土)15:00〜17:00に、アップルストア心斎橋2Fシアタースペースにて、恒例のオフラインセミナーイベント「QTVR Diary -OFFLINE-」のナンバーシリーズ「vol.11」を開催しました。
正直、今まで11回やってて、一番"やりがい"のあったイベントだったんじゃないかな、と思います。
何せ、席がしっかり埋まったことが、とっても嬉しかったんですよ、ホント。
4月・6月・7月と、ぜんぜん席が埋まらなくて、正直、もうイベントを止めようかと思ったほど気分はかなり落ち込んでいたんですが、この企画だけはどうしてもやりたかったので、何とかして成功させたかったんです。
久々の参加者20人越えで、やっと"まともな"イベントに戻ったような気がします。
これで次回からのイベントにも力を入れることが出来るんじゃないかな...期待していて下さいね!
さて本日は、この日のイベントレポートをお届けします。
今回の内容は、こんな感じで進んで行きました。
- HDRパノラマのための撮影技術の紹介 [25分]
- HDRの表現方法 [15分]
- ExposureFusionを使った"自然な"HDRパノラマ [25分]
- TrueHDRによる3DCG用パノラマデータの作成方法 [10分]
- TrueHDRパノラマを使った3DCGへの応用 [40分]
- まとめ [5分]
1/3/4/6が二宮、そして2と5が別々のゲストスピーカーに喋ってもらいました。
まず最初に、HDRパノラマの撮影方法について。
パノラマ撮影の基本をおさらいしてから、ボクの撮影方法を紹介。実際に、そのような機材で撮影し、どのような設定をするのかを紹介しました。
ま、このブログをご覧の方々には、基本中の基本ですよね!(笑
- 魚眼レンズをつけたDSLRをパノラマ撮影用回転マウントにNPPを合わせて装着し、それを三脚で立てて、レベリングベースで水平にする。
- 隣り合う写真が1/3程度重なるような枚数を撮影する。
- パンフォーカスで撮るので、シャッタースピードを考慮に入れながら、極力絞って撮る。
- 全てのアングルで露出を同じにするために、シャッタースピードを固定する。
撮影のTipsなんかも喋ってます。
黒ツブレより白トビの方が修正が難しいので、露出の決定は全てのアングルの中で一番明るいアングルの露出を基準にシャッタースピードを決めることでしょうか。
そして、HDR画像の生成方法には、2つのやり方があることを説明。
- 元々ダイナミックレンジの広いRAWデータから、複数枚のLDRデータを現像し、それらを合成する。
- デジタルカメラのブラケット撮影機能を用いて、同一アングルで複数の露出で連写撮影し、これを元データとして合成する。
それぞれの利点と欠点をお話したところで、じゃぁ実際にHDRIにはどのような表現方法があるのか、ということを、1人目のゲストスピーカーにご登壇頂き、喋って頂きました。
- 有限会社オデッセイ 代表取締役 林 理(はやし まこと)さん
このブログを古くからお読みの方なら、「Makoto」というハンドルネームで、独特の雰囲気を持った強烈なインパクトのHDRパノラマVRコンテンツを多数作られていた方を覚えていらっしゃる方も多いのではないかと思います。
後にご病気でパノラマ制作が困難になり、現在は「HDR : ハイダイナミックレンジの光と影」というブログで、様々なHDRIの表現方法を模索しながら、興味深い作品を定期的に作られています。
前のブログは、更新は中断してはいますが、未だに残ったままになっています。改めてご覧下さい。
■ 三州展覧絵図 北陸発 フルスクリーン QTVR パノラマギャラリー
そんな林さんですから、パノラマとHDRI(High Dynamic Range Image)の両方を語ることが出来るオーソリティとして、このテーマのイベントには欠かせないと思いお誘いしたところ、快くご登壇を引き受けて頂けた次第です。
その内容は、HDRIを生成する数々のソフトウェアを、林さん自身の作品を例に上げて、ソフトの特徴などを交えて紹介しています。
特にイベント予習でも取り上げた「Dynamic Photo HDR」は非常にお気に入りのご様子で、ボクもちょっと試してみようと思いました(既にデモ版で使用済みです。ちょっと重いのが難点ですが、高機能な設定をシンプルなUIでまとめていて、非常に分かりやすいソフトウェアでした)。
時間はそんなに用意してなかったのですが、非常に興味深い作品とその制作方法についてのTipsが山盛りで、大満足の濃密なひとときでした。
特に驚いたのは、林さんが持っていたPentaxK10D。どうしてみんなPentaxを使うのか、使ったことが無かったボクは魅力を全く感じなかったのですが、何とミラーアップしたまま5段の超高速ブラケット撮影が出来るとのこと。そんな高価なカメラでないのに、そんなことが出来るなんて...。HDR界では非常に有用な機能が搭載されているということで、Pentaxのカメラは評判が良いとのことでした。パノラマ専用機材レビューの中に、HDRパノラマ用撮影に最適なカメラとして、「Pentax K-7」とか本気で入れようと思い立ちました。それぐらい衝撃的でした。HDRパノラマ用撮影に必要な機能は、ブラケット撮影の枚数と幅の広さだけだと思っていたら、ブラケット間速度の問題まであったなんて...思いも寄りませんでした(確かに動体が存在する屋外撮影なんかはには死活問題だったりするんですよねぇ)。今回のイベントでボクの一番の発見はコレだったかもしれません。
さて、そんなHDRIの様々な表現とそのツールをご紹介していただいた後は、実際にHDRの合成方法をナマで実演をご覧頂きました。
使うソフトウェアは、もちろん「PTGuiPro」。このPro版の最大の特徴でもあるHDR合成機能は、未だウチのブログで紹介していない、内容紹介&実演説明でもあります。
PTGuiProで扱っているHDR合成プログラムは種類。「TrueHDR」と「ExposureFusion」。このそれぞれについて、謂われや特徴などの概要を説明した後、既に撮ってあるボクのデータでその場で合成してみました。
先に"自然なHDR合成表現"としてのExposureFusionを説明した後に実際に合成したものをご覧に入れ、さらにトーンマッピングによるハイコントラストのギラギラした絵作りになるTrueHDRを生成してみました。
しかしTrueHDRの真価は、トーンマッピングによる絵作りでなく、特別なファイルフォーマットで内部に持つ32bitという超明部から超暗部まで表現できる非常にリアルな色領域を利用することにあります。
この広いダイナミックレンジを持つ360°全方位パノラマ画像のファイルデータを、3DCGの環境光源及び背景画像に使うことで、3DCGのオブジェクトを非常にリアルに見せる方法が、昨今の潮流となっています。
それを、今回の2人目のゲストスピーカーに、実際に目の前でデモを行いながら、お話を頂きました。
- ヒビコーディネーション/日比 隆志(ひび たかし)さん
元々はインテリアデザイナイー/デコレーターでしたが、自身のインテリアデザインのプレゼンに最適だということで3DCGを習得し、今では関西でも有数の3DCGクリエイターになった、という少々変わった経歴の持ち主です。だからこそ、その視点は独創性とリアリティに溢れ、その作品はシンプル且つ説得力が漲っています。
Macユーザーにはお馴染みの統合型3DCGソフトウェア「Shade」の教則本を多く執筆してる方ですが、最近では「modo」という次世代型3DCGをメインに使用し、多くのデモイベントで講演されています。
実は前月7月にも、アップルストア心斎橋でmodoのデモイベントをされていたようで、今回のイベントにはうってつけの人物でした。
(日比さんをご紹介下さったのは、Cinema4Dの輸入代理店であるMAXONの宮田敏英さん(ご本人のブログはこちら)。昨年12月のアップルストア銀座のイベントのパネラーにお招きしたお一人です。日比さんも以前はCinema4Dを使われていたということで、関西の3DCGだったらこの方がイイんじゃないか、とご指名を受けました。ご紹介いただき、本当にありがとうございました)
イベントでは、ボクの仕事でないライフワークの作品である「VR Podcast」から、HDRに使えるんじゃないかということで、日比さんに2つの作品を選定いただきました。
事前打ち合わせをした時に、屋外と屋内の2つあればバリエーションも広がるね、ということで、まずは直近の京都御苑のは生成データもTrueHDRのトーンマッピングだったのでこちらを持参したんですが、目の前でリアルタイムでレンダリングデータが出来上がる様を拝見した瞬間、このイベントはスゴいことになるな、という確信が持てました。
そして後日メールで、インテリアショップの屋内の作品なら、職業柄手慣れているので扱いやすいですよ、というリクエストもあり、この時はしっかりとHDR対応撮影をしていたこともあって、すぐに.hdrのファイルをお送りして使っていただいた、という経緯があります。
実際のデモでは、modoの持つポテンシャルを十分に引き出した、非常に素晴らしい"ライブイベント"でした。
仮想3D空間にオブジェクトを配置し、そこにTrueHDRフォーマットのEquirectangular画像を読み込み、3Dオブジェクトのスケールを調整すると、もう既にプレビューのレベルで、レイトレーシングレンダリングがリアルタイムで見れてしまっています。しかしその状態では、オブジェクトが空間に"浮いた"ままになっていて少々違和感が残ります。そこで最新バージョンのmodoに搭載された、リアルな影を付ける機能によって、そのパノラマ背景にオブジェクトの影を付けることで非常にリアルになり、まさに実写のようになります。
京都御苑のど真ん中にアルファロメオが...なんて絶対にありえない光景なのに既視感アリアリで、インテリアショップのテーブルの上にMacBookProがあるなんて、まさに実写のような雰囲気でした。
それをリアルタイムで見せられると、ボクもその場で欲しくなる程、衝撃的な光景でした。
この衝撃的なデモを十分に堪能した後、最後にまとめに入りました。
- パノラマクリエイターにとって、360°見渡した時に超明部と超暗部が必ずあることを念頭に置くと、自ずと広いダイナミックレンジを得ようとするのは必然だと思います。
- 従って、どんな状態でも...三脚でも一脚でも手持ちでも...ブラケット撮影はしておきましょう!
- そして、撮影条件や絵作りの嗜好によって、適正な画像データの生成方法やHDR合成方法を選択しましょう。
- さらに、3DCG業界との連携を今後ももっと深め、パノラマ業界の産業的な意義も、もっともっと深めて行きましょう!
イベント中には、ボクの実演デモの時にMacが固まってちょっと焦ってしまったり、テープの巻き戻しを忘れていて中休みが間延びしてしまったりして、ボク自身は少々グダグダだったりしましたが、全体的には非常に濃密で有意義なイベントになったのではないかと思います。
この後の懇親会も、結局は11人の参加があり、とってもとっても楽しいひとときでした。
MacBooProを持参してる方が居て、その場でPTGuiProのスティッチ講座とかも出来たり、自作機材の自慢大会にもなったり...久々に「本番は懇親会です!」が地でいける内容になったんじゃないかと思います。
懇親会の参加者に3DCGのクリエイターの方も居て、異業種交流としても満足のいくものでした。
毎回こんなだったらイイのになぁ...(もちろん、もっと多くてもイイなぁ)。
でも、それにしても、参加者の住所を聞いてびっくりですよ。
『東京/神奈川/富山/高山/名古屋x2/鹿児島/京都x2/神戸/大阪』
関西が相変わらず少な〜〜〜〜〜いっ!
大阪1名は3DCGの方なので、実質ゼロですよ。
イベント参加者の中にも、豊田市から(というと何関係か分かるというものですが)自費で来られた方々が居るということから、全国的にもこのイベントの注目度はそんなに悪くないはずなのに、いつもいつも関西、特に大阪の参加者が本当に少ないです。ボク自身が把握してるだけでも、もっと多くのパノラマ制作者や関連業者や興味を持って下さってる方が居るはずなんですけどねぇ。何を隠れているんでしょうか?(笑
今後もこの「QTVR Diary -OFFLINE-」は続きます。
ぜひ色んな方に足を運んで頂き、横の連携を強めて、業界発展のために、みんなで協力して盛り上げて行きましょう!
次回は、9月17日(木)19:00〜20:00の「QTVR Diary -OFFLINE- for beginners」ですね。
パノラマ入門者向けの簡易イベント。
"パノラマって何?"
"パノラマってどうやって見るの?"
"どこに行けば見られるの?"
"どうやって作るの?"
"何に使えるの?"
...など、パノラマに興味を持ち始めた人向けに"触り"をご紹介する1時間のイベントです。これもかなり濃密ですよぉ(笑
そしてナンバーシリーズ「vol.12」は、10月10日(土)15:00〜17:00を予定しています。
まだ内容は確定してませんが、昨年6月の「PTGui徹底解剖」が余りにも好評だったので、その第2弾のソフトを色々と考えておりましたが...奥の深さとポピュラリティで「Pano2VR」か「AutopanoPro/Giga」のどちらかをやろうと思います。そして9月半ば頃から特集を組もうと思います。どちらをご希望か、またパノラマニアでご意見下さい。
ただ、ハードウェアレビューをする時に、同時に一緒に実際に並べて見ることもイイなぁとも思っても居ます。
どうせなら、SONYα900とFujiFinepixS5ProとOlympusE-P1とがそれぞれの適正レンズが嵌った状態で、横一列に並んでる光景も見たくないですか?...そんなイベントも考えています。ああ、また悩むなぁ(笑
どうぞ今後の「QTVR Diary -OFFLINE-」も、奮ってご参加くださいませ。心よりお待ち申し上げます。
< 追 記 >
参加された方のイベントレポートが、既にブログでアップされています。こちらもご覧下さい。
□ Sei-modoブログ: QTVR Diary!
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